スワップ狙いの取引に暗雲立ち込める?
こんにちは、サポートブログ編集長です。
昔から日本のFXトレーダーの中に一定数の支持率を集めているのが「スワップ狙いの取引」。
個人向けFX取引が浸透し始めた90年代後半から00年代前半にかけて、「初心者トレーダーはスワップポイントを狙って高金利通貨を取引しよう」と投資系雑誌やFX会社が喧伝していました。
ポジションを保有するだけで定期的にスワップ収入が入る、この投資戦略は貯金好きな日本人気質とよくマッチし、あっという間に人気となりました。
この手法のポイントは、金利差の大きい通貨ペアを見つけることにあります。
皆さんにとってお馴染みかもしれませんが、豪ドル/日本円、NZドル/日本円、南アランド/日本円、ブラジルレアル/日本円、トルコリラ/日本円、といった通貨ペアになりますね。
このブログを読んでくださってる方々の中にも、「FX取引はスワップポイントを重視して取引しているぞ」というトレーダーさんはいらっしゃるかと思います。
でも、今の時勢でスワップ狙いの取引はリスクが高く、その魅力が目減りし始めているのかもしれません。
世界的な金利低下
現在、景気停滞を防ぐために世界中で金利の引き下げが進んでいます。
そのため、日本との金利差が年々縮まっており、スワップ金利の旨味が小さくなっています。先進国と一部新興国の政策金利について、2006年と2016年で比較をしてみると、
国名 |
2006年3月 |
2016年3月 |
日本 |
0.15% |
0.10% |
米国 |
4.75% |
0.5% |
英国 |
4.5% |
0.5% |
EU |
2.5% |
0% |
オーストラリア |
5.5% |
2.0% |
7.25% |
2.25% |
|
7.0% |
7.0% |
|
ブラジル |
16.5% |
14.25% |
トルコ |
13.5% |
7.0% |
上のテーブルのように、主要国では軒並み政策金利が低下していることが具体的な数値で分かりました。
新興国のカントリーリスクの高まり
一方、新興国では、自国通貨防衛のため金利が高めに設定されています。
一見すると、非常に魅力的ですが、これら新興国にはカントリーリスクが多くあることを忘れてはいけません。
例えば、ブラジル。今年の夏にオリンピックを控えていますが、内政はめちゃくちゃ。ルセフ大統領が罷免され、現在はテメル副大統領が大統領代行として政務を執り行っている事態です。
トルコにしてもエルドアン大統領が権力を集中しようとしており、EUとの関係が悪化するなど、政情不安がつきまとっています。
これら新興国の金利は上表から分かる通り、新興国よりずっと高いですが、安易にスワップポイントに惹かれて手を出すと、高いボラティリティーのためゼロカットしてしまうおそれがあります。
もちろん、そうした高ボラティリティ―を利用して短期の投機を行うのも戦略の1つですが、念入りなロスカットなどリスク管理が重要ですね。
国内FX会社は、高スワップ通貨ペアを前面に押し出していますが、あくまでもスワップはおまけとして考え、それを目的に取引をしていくのは現在の相場環境ではリスキーに思われます。
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